貴乃花退職・引退 日本相撲協会による悪意しか感じない

2021年1月29日

不世出の横綱 貴乃花の退職・引退

貴乃花が角界を引退します。
結局問題は解決せず、不世出の大横綱貴乃花は角界からの引退を余儀なくされたようです。

個人的に、今回の件で問題と思われることを記載したいと思います。
しかし、相撲協会はここまで腐ってしまったのか、と言わざるを得ません。
確かに貴乃花の行動に大人げない点はありました。しかし、犯罪者を隠蔽した相撲協会に比べれば大した問題ではないでしょう。

もともとあまり相撲を見ていなかったのですが、もう金輪際相撲は見ないでしょう。
旧来からの相撲ファンの方は、声を上げるべきだと思いますよ。



神聖なる土俵に犯罪者を上がらせた相撲協会

以前もこの内容の記事を書きました(神聖な土俵に女はダメ。でも犯罪者とその隠ぺい者は土俵OK 試合は八百長するけどね)。

結果的に暴行で有罪が確定した日馬富士。そして犯罪を隠蔽していた白鵬ら。
彼らは、事件が発覚するまでは土俵に上がっていました。相撲協会がいうところの「神聖なる土俵」に。
さらに、日馬富士の引退により、9月30日に両国国技館で「日馬富士引退断髪披露大相撲」開催されるそうです。

断髪式ですから、土俵に上がるのでしょうね。女性はダメらしいですが。
前科者を、それも過失による前科ではなく、傷害の前科者を神聖なる土俵に上げるのでしょうか?
たとえ引退表明が早かったとはいえ、その後に傷害の犯罪者として処罰されたんですよ。自首したわけでもありません。
通常の会社などであれば、先に辞表がだしてあっても、懲戒免職になるでしょう。

もし、日馬富士を土俵に上げるとしたら、相撲協会の言う神聖なる土俵とはなんでしょうか。

もう「神事」だの、「国技」だのという看板を外して、「興行」です。とすべきではないでしょうか。
日馬富士の断髪式を土俵で行ったら、神事・国技の看板を外したとみなすべきです。
ただのデブのオッサンが抱き合っている、ショーである。と宣言したものと考えます。



貴乃花の会見を放送しないNHK

貴乃花の会見をテレビ各局が生中継していました。
子供のころから相撲に生きてきた貴乃花。相撲道に真摯に向かい合い、八百長を嫌い正々堂々戦ってきた貴乃花が、淡々と会見を行っていました。

テレビ東京を除く民放各局は、生放送で貴乃花の会見の様子を中継していました。
驚くべきことは、NHKは生中継を行っていませんでした。

NHKは「ニュース シブ5時」という、たぶん生放送のニュース番組を行っていました。
しかも、大相撲秋場所の振り返りを延々と流していたのです。

いかに、大相撲秋場所が面白いものだったか、を相撲のことが好きらしい方が延々と説明していました。
同時刻に貴乃花が、断腸の思いで会見を行っていたというのに…。

NHKさん、相撲協会とズブズブなんですよね。辞めていく人は関係ないと。私の受信料返してもらえませんかね。大相撲の放送権料を高額で買ってらっしゃるみたいですが、この利権はさぞかし美味しいのでしょうね。

以前書いた記事「大相撲とNHK このままでよいのか?」「日本のテレビ放送の問題 NHKから国民を守る立花孝志」に、放送権料などの問題をメモしています。よかったらご参照下さい。

とにかく、NHKが貴乃花の会見を生放送しなかったこと。大谷の手術については、番組を中断したにも係わらず…。大相撲といえばNHKでしょうに、ひどい話です。

くだらない相撲談義を同時並行して放送していたこと。これだけは強調させていただきます。



貴乃花が邪魔な皆さん

相撲協会とNHKのおかしな動きや関係について、前記および以前の記事に記載いたしました。
今回の協会のおかしな制度変更など、経緯を書いてみたいと思います。

1.2017年 日馬富士が酒席で貴ノ岩に暴行
2.2018年1月 日馬富士 罰金刑確定 貴乃花日本相撲協会理事を解任
3.3月 貴乃花 内閣府に日本相撲協会の告発状を提出
4.3月 貴乃花 貴乃花部屋の暴行問題により、告発状を取り下げる
5.7月 日本相撲協会 無所属を認めない(いづれかの一門に所属しないと活動できない)ことを決定
6.8月 日本相撲協会より貴乃花に対して「告発状は事実無根である」と返答
7.9月 「告発状の内容が間違いである」ことを認めない限り、一門に所属させないと有形無形の圧力がかかる

以上が貴乃花の主張する内容です。
日本相撲協会は、若干の齟齬を主張していますが、大筋はこの通りであろうと思います。

問題は、赤字で記載した「日本相撲協会 無所属を認めない(いづれかの一門に所属しないと活動できない)ことを決定」でしょう。

その理由として、税金で優遇を受ける公益法人であることから、金銭の透明性を高めたいことが理由のようです。
そりゃ公益法人(財団法人)として、透明性の確保は重要な課題です。
しかし、その解決策が「一門に所属すること」でしょうか?

今まで、個々だったものを急に変える理由としては弱いでしょう。
一門に属していると透明性が確保されるのですか?犯罪者を土俵に上げる組織の皆さんですよ?
今まで問題が発生したのですか?問題があったのであれば、公益法人として公表してほしいものです。

外堀をどんどん埋める日本相撲協会。貴乃花の告発状の内容を間違いと認めろ。でないと無所属で、親方業務ができないぞ。と規約を変更していく手段。
貴乃花としては、ガリレオの裁判のように自らの主張を曲げて告発状を間違いと認めるしか、残る手段はなかったのです。

相撲を愛していた貴乃花。国技・神事である相撲を愛していた貴乃花としては、土俵に誓って嘘をつくことは出来なかった。
日本相撲協会は、貴乃花を屈服させる。もしくは、除外する。この2択を貴乃花に突き付けたのです。




百年近くやってきて、協会の内部規約を急に変えなければならなかった理由はなんでしょう?

要は貴乃花を除外したかったのでしょう。
以前も書きましたが、貴乃花は真剣勝負の男。間違ったことは大嫌いな男です。
相撲を愛し、伝統を守ろうとした男です。

日本相撲協会は、すでに興行団体なのだと私は考えます。
相撲が、神事であり、国技だというのであれば、暴行事件の後も場所を続けますか?暴行犯をかばった者を土俵に上げてよいのでしょうか。
神事とは、神様に奉納することです。神様に暴行犯を奉納するのですか?

この点の日本相撲協会の処分の甘さに、貴乃花は我慢ならなかったのではないでしょうか。

そして日本相撲協会は、我慢ならない貴乃花が邪魔だった。現役のころからガチンコ相撲にこだわる面倒な存在でもあった(これは想像)。

相撲協会に、放送権料を流し込んでいるNHKとしても、不祥事を騒ぎ立てる貴乃花が邪魔。できれば相撲は協会が主導で今の上体を維持してほしい、と考えている。
特に日本の公共放送でありながら、外国人(在日も含む)がかなり多いと言われているNHK。日本が嫌いなのではないか?と思われる放送が多いNHK。協会に歯向かう、うるさい不世出の日本人横綱の騒動は無視したいのが本音ではないでしょうか(ここも想像)。

現時点で間違いない点だけでも、貴乃花という、誰よりも相撲を愛した男を邪険に扱う協会と放送局の存在。このことを決して忘れてはならない。
裏側で起こっていることは想像するしかない。しかし、想像に難くない。

最後にもう一度、神々しい貴乃花の姿を引用して終わりたいと思います。
さらば相撲。もう見ない。
ありがとう。貴乃花。