神聖な土俵に女はダメ。でも犯罪者とその隠ぺい者は土俵OK 試合は八百長するけどね

2021年2月19日

最近あらぶっている、大相撲


暴行事件が後を絶たない大相撲。
先頭に立って問題を告発していた貴乃花親方の部屋で暴行問題が発生。事態は収束方向に向かっているように、誰もが感じていたと思います。収束と言っても、「何も変わらない」という方向ですが。

そして、今回は救助に入った女性に対して「土俵から降りてください」と伝統を振りかざした事件。早々に理事長は謝罪しましたが、問題の本質はここではないでしょう。
一応ニュースと、証拠の動画を張っておきます。

日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は4日、京都府舞鶴市で行われた春巡業の土俵上で多々見良三舞鶴市長が倒れた際、救命処置を施した女性に土俵から降りるよう場内放送で促した件について「行司が動転して呼びかけたものでしたが、人命にかかわる状況には不適切な対応でした。深くおわび申し上げます」と協会を通じて談話を出した。場内放送は行司が担当している。

救命処置に関わった複数の女性には「とっさの応急処置をしてくださった女性の方々に深く感謝申し上げます」と謝意を示すとともに「市長のご無事を心よりお祈り申し上げます」とコメントした。

https://www.youtube.com/watch?v=35aIqDTYOD8




問題の本質 神事と八百長

さて、このニュースの問題は
「相撲は神事だから、女人禁制で、今回もまぁ仕方ない」
というベースで物事を考えてしまうこと。

私は女性差別などと言う気はありません。
問題だと思っているのは
「神事だけど八百長していること(&犯罪者と隠ぺい者を土俵にあげた)」です。
八百長についてみていきたいと思います。

八百長相撲はあるか?

相撲でも、八百長をせずに頑張っている力士は大勢います。
先に記した貴乃花の現役時代が筆頭でしょう。八百長をしない力士の多くは、残念ながら怪我との戦いで力士生命がどうしても短くなってしまいます。
100kg以上の体の力士同士が、本気で年間6場所90試合を行うことの危険性を考えてみてください。さらに本場所が無いときは巡業相撲もあります。体を休める暇なく戦う構図になってしまっているのです。

おそらく八百長がないであろう、世界ランクのボクシング選手は年間10試合もできません。ボクシングの場合は減量もあるので一概に相撲と比べられませんけど…。
先の1月場所も、貴乃花親方の行動で八百長にも目が向けられた途端に、横綱白鵬は途中休場、鶴竜は勝ちきれず、という結果になってしまいました。12月場所を14勝で優勝した白鵬も八百長が無いと、このような結果に結果になるのです。格闘技に分類される以上、無事これ名馬で長期間TOP(横綱)でいられるわけが無いのです。
平成23年に八百長問題発覚した問題は、かつてから未だに続いていると考えるべきと思います。(この点は、またいずれ掘り下げましょう)

現在では怪我から復帰できない、稀勢の里などもガチンコ相撲の典型でしょう。
そしてかつての貴乃花の姿を見てください。13分の動画ですが、ぜひ見てください。涙無くしてみることができません。少し字幕があるので、音が無くても意味はわかります。

https://www.youtube.com/watch?v=fYvXb60FSWI

これぞ、神事。神に奉納する相撲とはこういうものである、ということを貴乃花が示してくれています。いや貴乃花自身が、この時は神であったと言っても過言ではありますまい。動画で見ると顔つきが神々しい。



神事だというなら、徹底せよ

土俵は神聖で、相撲は神事でしょうか?
であれば、貴乃花のように、相撲人生をかけてもガチンコで土俵に上がるべきです。それを推奨すべきです。変なところだけ伝統を持ち出すのではなく、とことん伝統を貫くべきです。
相撲協会は、神様にまがい物を奉納するのですか?

この観点をさらに昨年の事例に当てはめると、
1.暴行事件を起こした犯罪者である日馬富士を、神聖なる土俵に上げた。なぜすぐに「すぐに土俵から降りてください」とアナウンスしないのか?
2.暴行を見ていて隠ぺいした、白鵬・鶴竜を神聖な土俵にあげた。これまたすぐに土俵から降りろ、というべきでしょう。

犯罪者と犯罪者を隠ぺいしようとした悪人(八百長もするけどね)は、神聖な土俵に上がってよし。
倒れた者を救助しようと駆け寄った真摯な女性は、神聖な土俵に上がってはいけない。(救助に入ることのほうが神聖だと思いますよね)
これおかしいですよね。
神事なら神事として、徹底せよ。

これこそが、貴乃花親方が主張したかったことだと私は思います。
私なんぞは、ガチンコ相撲だけにするなら、勝負の回数を減らすべきだと思いますね。これだけの相撲をこなすのは、体力的にもほぼ無理であろうと思います。
だからこそ、今回の部屋の問題は、全てを飲みこんで謝罪をしたのです。すべての責任を取ったのです。懲罰的な人事にも耐えているのは未だに相撲道を極めんとしている証拠でもありましょう。
相撲道を極めんと、横綱昇進時に誰もが口にします。その相撲道が人によって違うのです。それは現役のみならず相撲協会も同様のようです。これだけ相撲をとっていたら巡業も無理だとわかるはずですけどね。

理事長が謝罪して済む問題ではなく、本当の進む道を示してほしいものです。
今は、神事は建前ね。でも土俵は女人禁制ね。八百長も犯罪もあるよ。相撲一杯やるから見に来てね。となっています。
貴乃花親方はおそらく
相撲は神事である。女人禁制は仕方ない。その代わり八百長や犯罪者は追放する。相撲はそれほど取れないかもしれないけど、本気だよ。と言いたかったのでしょうね。
私は、貴乃花親方を応援したいですね。