ハラスメントゲーム(テレビ東京ドラマ) ラストがいい

2021年1月25日

テレビ東京ドラマ ハラスメントゲーム

いやー面白い。
基本的にテレビを見ないので、Amazonプライムで視聴しました。
テレビ局には申し訳ない。

まだ見てない方は、ぜひご覧になって下さい。おそらく大多数の方は面白く見ることができるのでは?と思います。
深刻なサスペンスではありません。軽いタッチの仕事を頑張る話です。肩ひじ張らずに楽しめる内容になっています。



出演者

まずは名優唐沢寿明さん

硬軟自在の名優ですね。ご自身の性格もあり2枚目半の役どころでは無敵な印象を持っています。
今回はずけずけとモノを言い、課題を解決していく様を演じています。それは見事の一言。唐沢寿明さんの等身大なのでは?と思わせるほど。

そして広瀬アリスさん。
私はこの方のドラマを初めて見ましたが、なかなかどうして上手じゃないですか。
感情に応じた表情をたっぷりと表現してくれます。とても魅力的な女優さんだと思います。将来が楽しみです。

そして唐沢のライバル?として、高嶋政宏さん。

社内で実力のある常務役をクールに演じております。憎たらしいほどの自信家、備わった実力を醸し出しています。

個性的な配役がそろったドラマです。



ストーリー展開 ネタバレ注意

大手スーパーに勤務する主人公(唐沢寿明)。かつては本社で敏腕だったが、とある事情で地方に飛ばされていた。
富山店の店長として勤務していたとき、急に本社コンプライアンス室室長を命じられる。
ところから物語は始まります。

今流行の?ハラスメントを話題に様々な事件が勃発し、解決しながら物語は進んでいきます。

このドラマのよい点の一つは「ハラスメント」と呼ばれるものの中には、別の問題の根っこが眠っている可能性があること。
それがハラスメントという形で表出していることもある。という点を描いていることだと思います。

「ハラスメント」と言えば誰もがひれ伏すように、例えれば葵の印籠のようなご時世になっています。

しかし、その問題の本質は別にある。
働く皆の想いが、本題とは異なる「ハラスメント」という形で表に出ることがある。
この場合解決のためには、表出したハラスメントの事象を見るだけでなく、その背景となる点を解決しなければならない。
それがこのドラマの本質かな?と考えています。

もちろん実際の会社にはセクハラなど、深刻な問題点も多くあります。

しかし、その一方で「会社をよくしたい」という思いが、結果的にハラスメントという形で表出することも、実際に起こり得ることでしょう。その意味でとても面白い(興味深い)ドラマです。




ラスト ネタバレ注意

Amazonプライムで一気に見てるので、ラストまで一気に視聴しました。

もっといいラストは無かったかなぁ。と思わないでもありません。
唐沢寿明演じる主人公が、コンプライアンス室長として残る。という形が個人的には期待していたラストです。
しかし現実は甘くない。以下ネタバレ注意。
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社長一人に責任を押し付ける訳にはいかない。と唐沢寿明演じる主人公は、退職の意向。
しかし、新社長はなんとか会社に残ってほしいと要請。結局遠方への転勤で落ち着きます。
会社を救った立役者である、この二人。片や新社長、片や地方勤務に…
しかし過去のわだかまりも無くなり、安居酒屋?で祝杯をあげます。

でも本作のドラマのラストもよかった。とても清々しいラストでした。
最後のコンプライアンス室コンビの2ショット。どつき夫婦漫才がごとくの二人。お別れの際に、何をやってんだか…とは思いますが、おそらくは唐沢寿明演じる主人公の配慮なんですよね。サラリーマンたるもの異動はつきもの。明るく別れようと。

挨拶し別れたあと、一人元上司の背中を見送る広瀬アリス。会社の責任の一部を背負い、一人北国に向かう上司の無念を胸に秘める。会社のためにあれほど頑張ったのに…と。

次の感情は、やむを得ない事情ではありますが仕事半ばに去っていく元上司への想い。急にきて、半端に居なくなるなんて、とちょっと怒りがこみ上げる?
元上司の背中へのセリフは「室長は史上最低のクズです!」

様々な思いがこみ上げてくるも、最後は上司への感謝の気持ちかな。
きっと、最後に去来したの気持ちはサラリーマン最大の栄誉の言葉だと思います。
「一緒に仕事出来てよかった」ではないでしょうか。

この広瀬アリスさんの表情。これだけで充分。
一緒に仕事ができてよかった。これは本気で仕事に打ち込んだ者同士や、信頼関係が存在しないと、交わせない言葉です。

20秒ほどの時間の表情だけでこれらを表現した広瀬アリスさん。流石です。かわいいなぁ。一気にファンになりました。

このラストシーン。サラリーマンなら広瀬アリスさんのような目で、見送られたいものですね。

ぜひご覧ください。