映画 SPECのラストについて勝手に考える

2017年12月22日

SPECのラストを勝手に考察する


ここ数日かけて、一気にSPECを見た。まだ見ていないのは零のみ。
今までは歯抜けでちょっと見ていただけだった。一気に見ることで世界観も含めてだいぶ理解できたような気がしている。
しかし「劇場版 SPEC〜結〜 爻ノ篇」を見て、どうしても釈然としない気持ちが残り、個人的に勝手に情報を整理してここに記したい。他のホームページを見ても様々な意見があるようで結論はないのかもしれない。ケイゾクも見ていないので、正確な分析ができる保証はないし、書き出しの現時点で結論が出ていない状況であるが、書きながら結論がでることに期待したい。
以降ネタばれなので、まだ見ていない方はご遠慮ください。
面白い世界観であったので、伏線をぶん投げて終わってほしくない、という個人的な願いもある。主人公二人の最後に、もう少し希望を見たいというのが、本当の気持ちかもしれない。
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1.気になっている情報

1.雅が野々村からの遺言を、壊滅した日本と思われる場所で読むシーンがある。このとき「野々村は生きていないだろう、瀬文や当麻も生きてないかもしれない。しかし未詳のメンバーの戦いを…」となっている。
2.冷泉の予言により、パラレルワールドがあること、そこを行き来することで、時間をさかのぼることができる可能性があることがわかる。
エンドロールの文字でも「瀬かいはひとつではない」という言葉が出てくる
3.当麻は先人類の魂?を自らに封印し、無間地獄への出口を開いた状態で、瀬文に撃たれ死ぬんだ。そのため無間地獄をさまようことになっている。同時に(少なくとも過去の)先人類たるスペックホルダーも無間地獄に送られ、出てくることはできない。
4.当麻を撃った瀬文は、直後に「何人も刑事を殺しやがって!」とその場に踏み込んできた他の刑事により捕獲されてしまう。その時当麻が空を漂う姿を最後に見つける。
5.途中の描写で二つのシャボン玉が接触しそのうち、一つが壊れて消える。(何の暗示か?)
6.アサクラのナレーションで「時間が戻されてることを人類は知らない。唯一当麻だけが知っている」「同じことが繰り返される(ニュアンスはこんな感じ。表現は異なるかも)」
7.ラストのラストで赤のキャリーバッグを引く女性と坊主男の後ろ姿が出てくる。(当麻と瀬文の暗示なのか?)

本当に気になっていること

情報を整理して気が付いた。
私は世界を救った功労者の一人である瀬文のその後の扱いが嫌なのだ。葛藤しながら当麻を撃った瀬文のみ、扱いがひどい。もちろん当麻も亡くなっており、功労者たちに救いがないのだ。
もう一つは、最大の問題は当麻が死亡した世界は、「過去」なのか「パラレルワールド」なのか釈然としないことだ。と気が付いた。さらに冷泉の予言により「パラレルワールド」&「過去」という合わせ技も可能なのかもしれない。
最後のシーンをもう一度考えてみたい。
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足にプロテクターをしたままの瀬文

瀬文は以前のけがの関係で足にプロテクターを装着している。当麻を撃つ前および刑事になぶられるシーンでも同じように装着している。これは当麻を撃つ前後で同じ人間であることを示す。当麻が死に、世界が戻った段階でパラレルワールドに移行したというのであれば、その世界で一時的に瀬文が二人存在することになる。そして刑事たちの倒れている当麻を見ながらのセリフから、少なくとも当麻以外の刑事も殺している容疑者という扱いである。これが第一の疑問である。

当麻が居ない世界

射撃後の当麻が浮いている世界では、野々村は存在しており、また地居聖と美鈴は付き合いをしているようでもあり、以前の世界とは異なっている可能性が高い。そして、いくつかの懐かしいシーンが登場するも当麻は存在していない状態であることがわかる。すなわち当麻はこの世界では「初めから存在していない」と考えるべきなのであろう。
この二つを踏まえて考えてみる。
パラレルワールドであると仮定すると、もう一人の瀬文の所在が不明である。回想シーンでも瀬文は刑事として出てくるようだが、刑事殺しの容疑をかけられているのは、突然すぎる。また当麻が殺されていることを目撃した刑事が「刑事を何人も殺す…」というセリフを発した以上、当麻が刑事であり存在していた証と回想シーンのつじつまが合わない。
過去であると仮定しても、瀬文の突然の容疑の問題と当麻の死体の存在の問題が出てくる。しかし、もう一人の瀬文の存在を気にする必要がないだけ説明が楽である。
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瀬文の刑事殺し

瀬文が容疑者扱いされるものとして考えてみたい。刑事殺しの容疑がかかるとすればSITの部下である志村の事件しかないように思える。実際ドラマでも初めの容疑者は瀬文であったわけで、その点から考えると最後のシーンのタイムゾーンは、
志村の植物状態に近い生死不明(もしくは死亡した直後)の時期の過去ころ、と推察できる。志村が一時元気になりブブゼラリーマンに殺された、テレビ第8話前後のころではないだろうか。
当麻を撃った瞬間、その時代に戻った。とういうのが、この問題の解ではないかと思われる。

パラレルワールドか?

パラレルワールドか、否か、という点では、パラレルワールドと仮定すると、もう一人の瀬文の存在を無視することになってしまう。どうしても、この点が気になる。
もう一つ気になるのが、当麻だけが居ないのか、弟である陽太は居ないのか?居ない範囲はどこの人までになるのか?である。

結局無理か…最後は願望を込める

正しいという証拠もないが、当麻は他の者のスペックも一緒に無間地獄に持って行ったのではないだろうか。
スペックを持つ者が居ない、また当麻も居ない世界の過去に飛んだ。過去が変われば未来も変わる。個人の関係性も変わる。これをパラレルワールドと呼ぶのか?微妙だが、少なくとも過去であれば二人の瀬文の問題は関係ないと考える。瀬文はこの時点で、当麻と過ごし最後をみとった記憶を持ったまま過去の瀬文となるのだ。時代の修正がどのように行われたか、不明であるがスペックがなければSIT部下の事故も起きない。当麻の死体は物体ではなくなり、空間の移動を始める。そのため瀬文は容疑がかかるものの亡くなった証拠がないため、釈放まではいかずとも何らかの施設で瞑想を行っている。
アサクラは「当麻だけが時代を…」と言っていたが、瀬文も同一の記憶を持つ人物である以上、時代を超越していることを知っている。生きているものとしては瀬文だけが、時代が戻ったことを知っているのだ。だから刑事たちに殴られたばかりの顔で瞑想し、当麻がいることを信じ当麻を感じようとしていたのだ。
そして当麻を感じた瀬文は、当麻を捕まえる。その瞬間、さまよっていた当麻は透けていた体が、しっかりと姿を現し、暗い部屋に光がさす。瀬文の鍛えた体は、無間地獄を漂う当麻を捕まえ実体に戻した。スペックはなくとも不可能を可能にする。それが瀬文だ。特に当麻にとっては。
実体を取り戻した当麻は、瀬文と渋谷の人込みを歩く。トレードマークのキャリーバッグと共に。

結局、すべてを説明つけることは無理だった。でも、この理解で私は行きたいと思う。少しでも二人に希望が見えて終われるこの理解でいきたい。
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