本橋麻里著0から1をつくる カーリングロスの皆さまへの一冊

2021年1月25日

ゴットファザー 本橋麻里

平昌オリンピックでのメダル獲得という偉業を成し遂げたロコソラーレ。
以前ここでも書きました(女子カーリング銅メダルおめでとう 本橋麻里の献身)が、本橋麻里という一選手が立ち上げたチームです。本当にゼロから作り上げたチームです。

カーリングというメジャーではない競技とは言え、北海道の一地方がメダル獲得という偉業を成し遂げたことは同じ時代に生きた者として語り継ぐべき出来事であろうと思います。

その主人公たる本橋麻里選手が、書かれた一冊の本。この本を紹介したいと思います。



0から1をつくる

その本がこちら「0から1をつくる」

本橋麻里自身のカーリング人生の始まりから、その後のオリンピックでの活躍と苦悩、そしてロコソラーレと、時々の内面が描かれている本です。平昌オリンピックで彼女たちの活躍を目にした皆さん、カーリングロスの皆さんにぜひ読んでほしい本です。

初めて知ったことをいくつか記載します。

カーリングの素晴らしさ 審判が居ない

カーリング初心者の私。恥ずかしながら初めて知ったことです。あくまでも紳士的に審判無しで競技しているということ。
確かに「静」のスポーツに分類されると思うので、できることではあります。
しかし、競技者もモラルが高くないと成立しないスポーツですね。

カーリングの素晴らしさ メダルはフィフスから

いわゆるリザーブであり、5番目の選手であるフィフス。ゲームに出たい気持ちを抑えながら、常にベストコンディションを保ち、かつチームへのサポートを行う難しいポジションです。
オリンピックの表彰式で、初めにフィフスである本橋麻里選手からメダルをかけていたので、「キャプテンだから当然だろう!」と思っていました。

しかし、実際は違っていました。
フィフスからメダルを授与するルールのようです。
ゲームには出ず、チームを陰から支える5番目の選手であるフィフスからメダルを授与する。このこともカーリングが紳士的なスポーツである証拠だろうと思います。



23歳で立ち上げたロコソラーレ

少し内容に触れたいと思います。
各選手から本橋麻里への声のページがあります。その中に吉田夕梨花選手からの言葉で「(チーム立上げで)16歳の私に声をかけてくれたとき、本橋麻里は23歳だった

若くして2度のオリンピックを経験していると言っても、23歳の本橋麻里選手が、まざにゼロから立ち上げたロコソラーレ。
この本は、そのさなかの本橋麻里自身の苦悩と成長を描きだしている本です。

そのため、マネジメントやリーダー論と言った分野の本であるともいえます。
本橋麻里という選手が、多くの方からの刺激を得て、自分の姿を客観視し、自らは一歩引きつつも、一つ成長する。
試合に出場し活躍したいという自らのエゴを捨て、チームのために尽くす喜びを知る。
大変だったと思うのですが、その過程が明るいタッチで描かれています。

勝手な感想ですが、本橋麻里という人は途轍もなく前向きなんだろうと思います。失敗を後悔すると同時に後悔以上に、糧として前進するという意味の前向きです。
その経験から得た力が、チームという組織の成果を最大にする。のだと思います。

その一つのツールがコミュニケーションを大切にする、ということでしょう。チームとして、対外的な長期的なビジョンの明確化、チーム内の目標の明確化、目指すべき姿、チーム内のディスカッション。
どれがかけても目標達成は難しいものと思います。

組織を円滑に動かすために、失敗を糧に。コミュニケーションを意識。この2点は絶対的に外せない事項でしょう。



現在の本橋麻里選手

さてさて、最後に本橋麻里選手およびロコソラーレの最近について書きたいと思います。

本橋麻里選手は選手としては、ペースを落としているそうです。ロコソラーレのGMに就任したとのこと。
またトップチームに下部チームも結成し、その指導にも当たっているとのこと。
GMとは「ゴット・マリ」ではないか、と勝手に考えています。

ロコソラーレのトップチームは、世界を転戦中です。
日本を代表するチームとして、世界のチームとしのぎを削っています。笑顔を忘れずにプレーしてくれているようです。
Curling World Cup 2018 Second Legでは優勝を飾るなど、素晴らしい活躍を見せてくれています。

こちらのブログで選手の皆さんの近況が見れます。よかったら登録しましょう(無料です)。結構素の姿を紹介してくれて面白いですよ。
ロコ・ソラーレ(カーリング女子)

本橋麻里選手はじめ、ロコソラーレの皆さんの笑顔あふれるプレーをまたみたいですね。なかなか見に行くことはできませんが、応援しています。