wowowドラマ ヒポクラテスの誓い

面白いぞ!wowowドラマヒポクラテスの誓い

wowowの独自ドラマは、面白いものが多い。
その中でもこの「ヒポクラテスの誓い」は面白かったですねえ。実にお勧めのドラマです。
現在Amazonプライム会員なら無料で見ることができます。
少し感想を書いてみたいと思います。

ネタバレになってしまうので、まだ見ていない方は後半は読まないようにお願いします。
最も、今回の感想は重箱の隅をつつく感があるので、最後まで読んでもつまらないかもしれません。元医療関係ということで重箱の隅をつつく所存です。
ご了承ください。



ヒポクラテスの誓い

そもそもこの「ヒポクラテスの誓い」医療関係であれば、間違いなく聞いています。
一字一句覚えてなくても、その要旨は全ての医療関係者は理解していることなんです。
ヒポクラテスの誓いについては、こちらのリンクなどをご参照下さい。

原作もあるようですが、こちらは読んでいませんがきっと面白いでしょう。ドラマがこれだけ面白いと期待大です。
興味を持った方はぜひ!



ドラマネタバレ含む考察 読了注意

あくまでも、ドラマ版のネタバレです。小説版は読んでいませんので、わかりません。その旨ご了承ください。
ここからネタバレというか、物語の本質である点(医療ミス?疑いの機序について)重箱の隅をつついてみたいと思います。

混合薬剤の投与で血栓症

ドラマの肝となっているのは「セチルミンという架空の抗菌剤(いわゆる抗生物質)をカルシウムを含有する製剤と同時に投与すると血栓症を引き起こす可能性がある」という点です。

これ一般的にミスリードしてるのではないでしょうか。

一般的には「あり得る!」と思うかもしれませんけど、可能性は極めて低いと考えてよいかと思います。
少々専門的になりますが、簡単に概略として理由を以下に記します。なんとなく理解下さればありがたいです。

配合変化による析出

注射剤は市販されている数多くの輸液と配合変化試験を行います。薬剤と輸液の成分が同じ容器の中で変化しないか、24時間観察します。
変化する場合は、当然ながら基本的に配合不可であり、投与することはできません。この場合より強く伝達するので基本的に「医師が知らない」というのはほとんどありません。

市販薬の場合で新たに配合不可が判明した場合は「緊急安全性情報」として伝達が徹底されますことと思います。

2.血栓

続いて血栓。血栓は、血液の凝固系に作用して血の塊が形成された状態です。
ドラマの中の説明では「セチルミンとカルシウムから血栓形成」となっていましたが、この2つのファクターにより凝固系を刺激して血栓を形成するというのは説明にかなり無理があると思うのです。
なぜなら血液に入った段階で、薬剤は拡散されていくと考えられているからです。それが特異的に局所的に凝固系を刺激して血栓を形成するというのは、ちょっと考えにくい…。

ということで、この機序で血栓は無理じゃないかなぁ、と勝手に考えています。
まだ配合変化による析出物塞栓のほうが可能性高いと思うのですけどね…。

また万が一本ドラマのような状況下で血栓などの副作用が出た場合は、基本的には「医薬被害救済制度」が適応されます。そのため医師は隠すよりもこの制度を適応して患者を救済する道を選択することが多いと思います。

蛇足でついでに出すと実はドラマでもセチルミンは「生理食塩液」で点滴を行っています。
生理食塩液にはカルシウムは含有されていないので、実際には副作用は出ないだろうなぁ。
というのが一番のオチになります。

ドラマスタッフの頑張った仕事をあら捜しをして申し訳ないのですが、一応そんな感じです。



ドラマを楽しんで!

こんな重箱をつついて申し訳ないのですが、人間模様を描いたドラマ自体は非常によくできていると思います。
ですのでぜひドラマを楽しんでいただきたいと思います。

そう、もう一つ。
主演の北川景子さん。今回のドラマ中で「誤投与」という言葉を連発します。
しかし、この言葉は間違えた使用法だと個人的には考えます。

(設定が正しいと仮定して)治療薬として間違っているのではなく、併用方法が間違っている状態なので、「投与方法ミス」というべきかな?と思います。
基本的に誤投与だと「医療ミス」ということになりますので…。
今回のドラマの設定なら、それ以上の問題とするには無理があるのでは、と思います。ただし、隠蔽しようしたのは大問題ですけどね。

発症前なら抗凝固薬、発症後ならドラマにもありましたが血栓溶解薬を投与ということになるでしょう。

これらの点が個人的には気になりましたが、北川景子さんのかわいらしさもあり、面白いドラマです。
どうぞご覧ください。