ワールドカップベルギー戦歴史に残る試合 新代表監督の提言

2021年2月5日

日本代表のワールドカップが終わった

ロシアワールドカップの日本代表の試合が終了になりました。
ワールドカップベルギー戦歴史に残る試合 日本代表かく戦えり(1)に記載しましたが、日本のサッカーの歴史に残る試合になったと思います。

強豪国にリードして、落ち着いてゲームを終了にもっていくこと。これができるようにならないとダメだよ。というのが現在の日本のサッカーの課題。
選手のみならず、監督でも同様です。これを乗りこえられるか?これからの日本のサッカーのテーマです。

後任監督の話が出ていますが、名前だけではなく、現状をよく考えてベストのチョイスをしてほしいものです。



監督の分類1 調整型

ここからは個人の私見になります。
サッカーの監督はいくつかのタイプに分けることができると思います。ほぼすべての監督が同じようにすべての能力を有していると思います。その中でもその監督にとって得意な分野と言っても良いかもしれません。

第一にこの調整型。海外ではモウリーニョもこのタイプでしょう。また多かれ少なかれ、この調整は組織運営では重要であり、行っている監督が多いと思います。
各個人の考えや思い、置かれている状況を鑑み、会話を交わしてモチベーションを向上させチーム力を向上させていく方法です。

今回の西野監督もこのタイプでしょう。
西野監督の元々の素質がそうであったかは不明ですが、少なくとも前任のハリルホジッチ監督が選手とのコミュニケーションが足りなかったために、欠けていたコミュニケーションを中心にしただけなのかもしれません。

この調整型は「選手のモチベーションを最大限に上げる」ことで、チームを勝利に近づけることを目指します。多かれ少なかれほぼすべての監督はこの点に大きなエネルギーを使っていると言っても過言ではないと思います。
モウリーニョクラスになると、「監督のために勝つ」と選手が言い出すほどです。



監督の分類2 勝負師型

限りある資源をフルに使いこなし、勝利を追及することをメインに考えるタイプを示します。
表現がよくないかもしれませんが、選手を将棋の駒のように自由自在に操ることで勝利を手繰り寄せます。試合の中での選手交代などで大きな適性を発揮し、世界的に一番実績が大きいのはこのタイプの監督です。
日本代表の監督では、ジーコやファルカンがそうではなかったかな?と感じます。(結果はともかく)また岡田監督も実は、ここに分類できるかな?と思います。(あくまでも主観です)

世界的には、かつてのローマで中田英寿らを擁してセリエAスクデットを獲得したカペッロ監督らが該当するかと思います。トッティを下げ中田英寿を入れたユベントス戦などは、象徴的な試合と言えるでしょう。




監督の分類3 育成型

最後の分類は、育成型です。
自らがベストと考えるサッカーを展開するために選手を育成していくタイプです。
日本代表監督という意味では、かつてのオフト監督。最近ではオシム監督でしょう。
もしオシム監督が病気で倒れていなかったら…と未だに残念に思います。オシムは、かつての東京オリンピックでの日本の民間レベルの歓待のお礼として日本に来られ、日本の文化を理解した上で自らの理想のサッカーとすり合わせていったチーム作りは素晴らしいものでした。

日本にふさわしい監督はどのタイプか?

では日本代表にふさわしい監督はどのタイプでしょう。
報道では、西野監督の続投や、ドイツ代表監督でもあったクリンスマン(&ブッフバルト)と言った名前が挙がっているようです。
日本代表がワールドカップで決勝トーナメントに進出した例は3回です。2002年のトルシエ時代、2010年の岡田時代、そして今回の2018年。

このうち、2002年と2010年はある特徴があります。
2002年は、トルシエにほぼすべての年代の監督を一任し、全ての年代で同じ戦術を教え込んでいきました。この時小野伸二らが出場したワールドユースで日本は準優勝を飾っています。そのメンバーも含めて戦った結果が2002年です。
2008年は、オシムの急病のあとを受けて岡田監督が急遽就任しました。オシムが作った基本の上に、岡田監督というエッセンスが加わった形です。
これらから考えられることは、ベストは育成型の監督がよいのではなか?ということです。ドーハの悲劇も選手の頑張りとオフト監督がチームを育てたことの結果ともいえます。今回もハリルの選手に西野監督が味付けしたメンバーです。
育成に秀でた監督に長期間チームを任せる。これが一つの方向性です。

もう一つ重視すべきは調整型でしょう。
これは日本人の特性を考慮すべきです。自己主張をあまりしない。我慢しても頑張る。仕事は最後までやるとげる。時間や決めたことを守る。
これら日本人の特性を理解しないと、なかなかチーム作りは難しいだろうと思います。

特に今回は大きな世代交代を行う必要があります。次世代の育成がまったくできていません。次回のワールドカップは出場が厳しいくらいのつもりで考えるべきでしょう。

日本は戦後の焼け野原から急速な復興を果たしました。働き過ぎなどと諸外国からも叩かれていました。しかし、日本人の勤勉さが戦後復興をもたらしたことも事実でしょう。
その中では、いわゆる中間管理職の貢献が大きかったのではないでしょうか。従業員を家族的と捉え、上からの命令と部下の状況を踏まえてチームを目標に導いていく。
優秀な管理職は、優秀なモチベーション管理能力を有する者だと思います。
自己主張をあまりしない中でも、コミュニケーションをしっかり取りながら、モチベーションを管理していく。正直なところ外国人では難しいかもしれませんね…。
となると育成ができて、コミュニケーションをとりモチベーションを上げてくれる日本人監督ちょいうものがベストなのかもしれません。



結論 監督にふさわしいのは

ブッフバルトとクリンスマンも悪くないでしょう。ブッフバルトは大の親日家。いや大の親レッズサポです。日本人のことも相当程度理解しているでしょうから。
しかし、クリンスマンはドイツとアメリカくらいしか知りません。日本のわびさびなど独特な思想を理解できるかどうか…。そう簡単では無いと思うのですよね。
納豆をこよなく愛するストイコビッチくらいに、クリンスマンがなってくれたら。クリンスマンがブッフバルトにうまく感化されてくれればよいのですが…
でもやはりコミュニケーションの面で日本人がいいかも…。育成面でもこの二人は不安だなぁ…。

育成ができ、コミュニケーションが取れる日本人。
長谷川健太もいいかなぁ。西野監督ではちょっと厳しいかな…。と勝手な印象。

だけど、日本にはやはりあの人しか居ないと思います。実績も申し分なし。
そう、佐々木則夫監督です。
女子とは言え、ワールドカップ優勝監督。ボールポゼッションかつスピーディーなカウンターも併せ持ったチームを作った男。すべての条件を高いレベルで満たしていると思うのですけどね。
佐々木則夫監督を推します。