我那覇選手のドーピング冤罪を作った医師青木治人 争うは本意ならねど
争うは本意ならねど 衝撃だった
一言で衝撃の本です。
中学・高校とサッカーをしていたこともあり、未だにサッカー&Jリーグの話題は好んでいます。
また製薬会社の営業として、多くの医師ともお会いして、その職業意識を理解している者としてこの本を拝読しました。
衝撃の内容でした。
リアルタイムでこのニュースを聞いたときは、我那覇選手のがドーピングぽいことしちゃったんだなぁ。まぁ無罪でよかったね。くらいにしか感じていませんでした。
初めに強調しておきますが、我那覇和樹選手はドーピングではありません。完全にシロです。これは冤罪です。私自身、間違った認識をもっていたことをお詫びします。
Jリーグ発足当時の川淵三郎チェアマンのリーダーシップ。医師の仕事に対する情熱。これらを知る者として、今までの考えを覆されました。
2011年発行ですから、もう8年も前に出版された本。
事件自体も2007年と10年以上前。今更この本を知り、実際に起きたことを拝読して初めて理解しました。
皆さんもぜひご一読下さい。
経緯を簡単に
簡単に事実経過を書きます。詳細は、ぜひ本をご参照下さい。
2007年4月 我那覇和樹選手は、体調不良からチームドクター後藤医師の診察を経て、200CCの点滴(生食+ビタミンB1入り)加療を受ける。
生食、ビタミンB1共にドーピング対象薬品ではない。
しかし、なぜかこの行為がドーピングとして我那覇和樹選手は6試合の出場停止処分を受ける。(後藤医師は、辞任を迫られる)
この処分に対して、Jリーグ全チームドクターが異議を申し立てる。
結果国内のスポーツドーピング関係の部門が「この行為はドーピングにあたらない」と判断をする。
しかし、Jリーグとして処分を撤回しなかった。(ドーピング行為と判定したままだった)
最終的には、2008年にスポーツ仲裁裁判所(CAS:スイス)での裁可を待つまでに至った。
我那覇和樹選手がCASに個人で提訴し、無罪を勝ち取るために必要であった費用は、3400万円を超えた。
慧眼 遠藤利明議員
驚くべきことに、当時WADA(世界アンチ・ドーピング機構)常任理事であった遠藤議員が、WADA常任理事として書簡を2007年の8月(問題の期間中)に出している。
そこには、ドーピングでない。と明確に記されている。
Jリーグが、自己保全としか思えないアホな対応に終始している間に、外部から問題を正確に認識し、正確にジャッジしているのだ。
遠藤利明議員の慧眼と言わざるを得ない。
本の中でも著者のインタビューにも応えているが、その理由も明々白々・単純明快なのである。
このころ、Jリーグ側は後藤医師の診療内容が正当でないと主張していた。
しかし、遠藤利明議員は「今回はシロ」と明快に疑惑を否定した上で、Jリーグ側が主張している「診療行為が正当でない」のであれば、医師法違反の可能性があることまでも指摘しているのです。
的を射た発言とはこのことです。実に正確な指摘です。
それにもかかわらず、Jリーグ側の人間はドーピングであると言い続けたのです。
我那覇和樹選手だけでなく、後藤医師に対してもJリーグ側の人間は医師失格であるかのような烙印を押し続けたのです。
極悪人 青木治人医師 川淵三郎 鬼武健二
この張本人たちが、この3人です。
特に青木治人医師。彼はこれが冤罪であることをわかっていたでしょう。しかし、なぜかドーピング処分を撤回しなかった。そして恥の上塗りをし続け、今も継続中です。(謝罪もしていないので)
医師が患者と向き合い必死に診療しても、思うような結果が得られないことはありえます。ほとんどの医師は、常によりよい治療法はないか模索しながら、診療にあたっています。
それでも、常に最高の結果が得られるとは限りません。よい治療効果が得られないときに、人知れず悔やみ・悩みを抱えている姿もよく見ています。
しかし、今回の我那覇和樹選手の件については、青木治人医師は冤罪を生み出したのです。Jリーグのチームドクターらから強く迫られても、暖簾に腕押しの様相です。
必死に頑張った診療の結果であれば、例え不幸な結果であっても、それを責めることはしないでしょう。
しかし、彼は詭弁を弄して、冤罪を作り上げようとしたのです。人を貶める行為です。許される行為ではありません。一人の選手が、冤罪で引退の可能性もあったのです。悪名ともに名誉も回復されずに引退した可能性もあったのです。その重みをよく理解すべきです。
冤罪は覆りました。しかし青木治人医師は、未だに謝罪をしていません。
そして、青木治人医師をかばったと思われる言動をしている川淵三郎さん。
個人的には川淵三郎という男のことは尊敬していました。しかし、この本を読んで目から鱗が落ちた思いです。
もう二度と信用することは無いでしょう。早く第一線から退いてください。
大嫌いになりました。
Jリーグの盛り上がりも川淵三郎のリーダーシップによる部分も大きいと思っていました。しかし、どうも違うのでしょうね。自分勝手で、時流にうまく乗ったということでしょう。
これ以上に晩節を穢す前に、社会から引退することを勧めます。
冤罪事件の最中のチェアマンであった鬼武健二氏。
唯一、この本の著者のインタビューに応えている。そこに責任者としての矜持は感じます。しかし、どうにも頭がよくないようですね。年齢もあるでしょうし、この方もさっさと引退すべきだろうと思います。
本来チェアマン(当時:鬼武健二および元:川淵三郎)がすべきは、本当に悪いことであれば、厳罰に処分する。悪いことでないなら一番に選手を守る、ということです。
本当にドーピングなら追放に近い重い処分にすべきだし、違うなら口頭注意くらいでよいのです。ドーピングのレッテルを貼る、冤罪を作り出す必要はなかったのです。
自らとお仲間の保身のためにのみ行動し、選手を冤罪に仕立て上げた罪は、万死に値するでしょう。
Jリーグも間違った処分から始まった話。それをここまでの大ごとにさせたのは、この3人に責任があろうと思います。せめて我那覇和樹選手(および支援者)が支払った提訴資金は、Jリーグが支払うべきだと思います。
今からでも遅くありません。せめての罪滅ぼしにJリーグは我那覇和樹選手らに支払うべきでしょう。
彼らの側から見た証言が出ていないので、フェアではないかもしれません。特に青木治人医師は、医学者としての立場から医学的・科学的に説明すべきだと思います。
しかし、CASの判定を経ても正式に謝罪をしていません。医師としてのプライドは無いのでしょうね。一つの事象として今回は、実名で書かせていただきます。
そして、悪人の最後は川崎フロンターレ。我那覇和樹選手の見方をせず、後藤医師を切ろうとする始末。結構好きなチームでしたが、大嫌いになりました。身内をかばう気のないチームは、さっさと消滅してほしい。
チームドクターたちの戦い
本を読むまで、まったく知らなかったこと。
その最大は、Jリーグ各チームのチームドクターの動きです。
特に仁賀定雄先生、寛田司先生の献身的な動きが大きな意味を成しました。素晴らしい先生です。
全チームのドクターが、寝る間を惜しんで我那覇和樹選手、後藤医師を救おうと動いた姿は、涙なしには読めませんでした。
彼らは我那覇和樹選手だけを助けるためではなく、今後治療が必要になる選手のためにも身を粉にして動いたのです。
彼らドクターこそ、Jリーグに必要な理念を持った存在ではないか、と思います。
チェアマンなどと偉そうにしていた、川淵三郎や鬼武健二は、Jリーグに必要な存在では無いと言わざるを得ません。
本が出されてから、はや8年がすぎ、当時のチームドクターの多くは別の場所で活躍をされているようです。
もちろん、ご自身の判断で異動されたことと思います。
選手を大切に考える素晴らしい先生方のご発展をお祈りいたします。
我那覇和樹選手
サッカー選手として一番脂がのっている時期を、冤罪でつぶしてしまったかもしれません。
我那覇和樹選手が立ち上がったことで、Jリーグの間違ったローカルドーピングルールが改正されたのは事実です。
多くのサッカー選手を救う結果になったことと思います。
彼は、今でもサッカー選手です。
J3カマタマーレ讃岐でプレーをしているようです。(2019年)
ぜひ、J3に見に行きたいと思っています。瑞々しい彼のプレーを見たいと思います。
カズ・小野伸二とJ1ではない下部リーグには好きな選手がたくさん居ます。我那覇和樹も大好きな選手の一人になりました。
ぜひスタジアムで会いたいですね。会いに行かないと。
がんばれ。我那覇和樹選手。応援しています。
サッカー選手として、一人の男として。応援しています。
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