最高のドラマ「結婚できない男」 ラストを振返る(ネタばれ)

2021年2月19日

結婚できない男というドラマ

本当に面白い。ほとんどドラマは見ないのですが、高評価が多かったため何気なく見てしまいました。
いやはや面白い。傑作ドラマでだと思います。
10年以上前のドラマですが、お勧めいたします。Amazonで見れます。

この後の文章はネタバレになります。お気をつけください。
ぜひ、本編を見てからお読みください。ラストについては最後に書きます。

桑野信介(阿部寛)の魅力

背は高い。顔もよい。しかし、うつむきがちであり膝も伸びずにハツラツ感の無い男。性格があまりよろしくない。というよりも感情をうまく表現できない人間である。素直じゃない人間なんです。
「こんな変なやつ~」と思っているうちに、だんだんと見ている者もこの男の魅力にはまっていきます。この阿部寛の演技力には脱帽です。

早坂夏美(夏川結衣)も同じ気持ちだった思います。
桑野信介は変な奴で、一言二言多いし…。
基本変人ですが、口がひん曲がった時などの癖をわかりだしてから、妙に気になってきているようです。
何度腹を立てても、結局は桑野信介の良い点を見つけるようになってしまう。

桑野信介は母のおせっかいから、何かと早坂夏見の外来を訪れ、話をするように。桑野信介は、早い時点から早坂夏美に好意を持っていたのでしょうね。
特に第4話の花火大会の誘いの段階では、間違いなく好意を持っていたのでしょうね。双眼鏡まで準備していたくらいですから。

「どうしてもとおっしゃるなら」

このセリフは、ドラマの中でとっても大切な言葉だと思います。
花火大会に誘うシーンなど、誘っているにもかかわらず「どうしてもとおっしゃるなら」と、上手く誘えないのですよね。
そして、結果的に最終回にもこのセリフは、素敵な関りを持ってきます。このドラマによいリズムを与えてくれます。

もう一人の主役 金田裕之(高知東生)

もう一人の結婚できない男。むしろ最終的にタイトル通りになるのはこの男でしょう。
そして、このドラマがAmazonで見れる理由となっているだろう男。この男のために地上波では再放送しにくいのでしょうね。しかしその分、Amazonで見ることができる。どちらがよいのか、微妙なものですね。(私としてはAmazonのほうが見やすいです)

女をとっかえひっかえ。仕事もろくにできず。一人焼肉を食べる男。
この男と桑野の姿を最後まで見ていると、人生は遊びではなく、仕事などをしっかり頑張ることが重要と教えてくれます。

最終回(ラスト)を振返る

いよいよ最終回を、特に思い出のシーンを振返っていきます。いやはや夏川結衣さんの演技(表情の演技ですね)に脱帽です。夏川結衣さんきれいです。

最後の20分間が怒涛の進行となります。キャプチャーではよくわからないと思いますが、夏川さんの表情での気持ちの移ろいの演技をご覧ください。

まず早坂夏美の告白から
「私たちの会話はドッチボールだった気がします。私はキャッチボールがしてみたいです。あなたと」

不器用な桑野信介は家の図面を作ることを目指します。しかしできない。そのことを外来で遠回りの告白をします。野球ボールを握ったりと、本当にキャッチボールしないか?と危惧したのは私だけではないはず。

では、そのラストシーン。
桑野信介「キャッチボールしにきたんです」

桑野信介「家を設計したのですが徹夜してもできなかった。できない理由がわかりました」

桑野信介「他人の家の設計はできる。でも自分や大事に思っている人の家の設計はできなかった」

桑野信介「僕は、あなたが好きなんじゃないか、と。だめですか僕では」

桑野信介「結果的には結婚はできませんけどね」
早坂「今なんて言いました?」

早坂「家なんかいらない!賃貸でもなんでもいでしょ!」ボケ!

いやはや面白い。このオチが最高ですね。
理想の相手と理想の家がセットでないと、納得できない桑野。
家よりも二人の問題と早坂夏美。
家が作れないから結婚できないと、言い張るのが、このドラマの桑野信介ならではの本懐ですね。

この「結果的には結婚はできませんけどね」は、このドラマを見ていた全員が「ちょっと待て!」と怒り、戸惑ったことでしょう。
当然のごとく早坂夏美は怒って立ち去り、桑野信介は「まったくわからん」とせっかくのお互いの気持ちの確認するも、お別れの様相になります。

そして、本当のラスト。
買い物袋を持った二人が偶然街で遭遇します。相変わらずドッチボールを交わしたあとの別れ際。

桑野信介「圧力なべあります?ウチにありますよ。あながどうしてもとおっしゃるなら、ウチにどうぞ。」
早坂夏美「どうしてもなんて言いません。でも、あなたがどうしてもと言うなら行ってももいいですよ
桑野信介「じゃぁ来てください。どうしても

やっと言ったか、桑野よ。
そして二人分の買い物を桑野信介が持って部屋に向かいます。ここでも、相変わらず塩味がどうの、それじゃ結婚できない、などと憎まれ口をたたいています。

桑野信介の部屋には、二人で住むであろう家の設計と模型がすでにできています。桑野信介は、自分の考えを貫くため自分と一緒に住む家の設計を終わらせてから、再度のアプローチをしたのです。

キッチンが家の中央にあり、早坂夏美が希望した「みんなを呼んで楽しめる」素敵な設計になっていました。

このラスト最高。終わり方が見事。楽しいドラマでした。
Amazonプライムで見れます。どうぞご覧ください。

追記 2匹の金魚

Amazonプライムではカットされていますが、TVではラストにもう一つ二人の今後を暗示したショットがあります。
それがこちら
一匹では可哀想ですよ、の金魚。本当に後味のよい大人のドラマです。

追記2 続編決定!

更に更に大ニュース。
続編の製作が決定したとのこと。
一度は早坂夏美といい関係になったものの、結局…という感じみたいですね。

独断で、言います。
また紆余曲折があっても、早坂先生と結ばれてほしい。

あの独特な音楽とともに一人で牛乳のみながら
桑野「ふ、だから結婚なんか嫌なんだ」とぶつぶつ
実は後ろにいる早坂夏美
早坂「あー、今なんか言いました?」と切れ気味に返す。
桑野「…」
そういうのみたいですね~今までの世界観&早坂夏美。このままがいいのだけどなぁ。