なでしこジャパン ワールドカップ予選を兼ねたアジア杯へ
なでしこジャパン ワールドカップ予選へ
なでしこジャパンの2011年のワールドカップ優勝は、素晴らしかった。すべてのプレーが神がかっていたと言ってもよいのでないでしょうか。
澤穂希の魂。宮間あやの技術。そして東日本大震災という国難から立ち上がろうとする国民の願い。
試合後に、国難への各国からの援助の御礼の横断幕を掲げてグランドを一周する選手たちは、巡礼者のようでもありました。
https://www.youtube.com/watch?v=HetCV5JLQ40
しかし、2015年のワールドカップでは決勝で5-2の大差で敗れてしまいます。なでしこジャパンは新たなる立て直しが迫られていました。
なかなか結果が付いてこないジレンマ
高倉体制になってからも、なかなかチームとして調子が上がってきませんでした。
澤穂希という希代の名選手。技術だけでなく魂でチームを世界一に導いた選手。伝説は一度終わり、新たな主人公とともに物語を紡いでいく必要があります。
しかし、苦戦は続いていました。強豪国の一つでもあるオランダに6失点(6-2)という悪夢のような試合を経験してしまいます。続く試合には勝ったものの、ワールドカップ予選となるアジアカップを前にして不安の残る試合になってしまったのです(男子と同じですね)。
若返りを図りながらチームを成長させてきた高倉監督ですが、レジェンドの一人を招集する決意を固めます。
現在アメリカでプロ選手として活躍している、川澄奈穂美選手です。
縦への突破と、正確なフィードが武器の川澄選手を入れて立て直しを図ろうとしたのでしょう。4月1日のガーナとの試合は、本番前の最後のテスト機会でした。
そして、川澄選手を入れたこの試合で、なでしこジャパンは生き返ります。いや生まれ変わったのです。
相手がガーナと言うこともあったかもしれません。
それでも7-1という得点差。内容的にも点差以上の圧巻の試合を運んで見せたのです。
もちろん課題がなかったわけではありません。フォワードのシュート精度は上げて行かないと、ワールドカップでは通用しないでしょう。また課題であるディフェンス面の連携は、他の選手らの合流後になるものと思われます。
しかし組織として連動して攻めて、点を取るというなでしこジャパン本来の動きができていたように思います。
それは、増矢(2)、岩淵、中島、高木、菅澤、鮫島と6人がゴールしたことからも理解できます。ディフェンスの選手である鮫島選手も、複数回の飛び出しでチャンスメイクのみならず、ゴールを決めているのです。
この好循環は、おそらく従来からのチーム育成のみならず、川澄選手を招集したことも含めた総合的な力の上昇と考えたほうがよいでしょう。川澄選手の切れ味するどいプレーは多くの選手に、戦う気持ちと思い切りの良さを伝えたのではないかと思います。ピッチに立っていなくても、その思いが選手たちに浸透していったのでしょう。
事実川澄選手の登場は後半開始少しのちです。疲れが見え始めた相手に、容赦のない運動量とスピードと正確なフィードでチームにリズムを与えていました。
圧倒的に試合を支配したのは予想通り日本だった。最終ラインの裏を狙っていく日本は、ズルズルと下がり始めるガーナ守備陣に22本のシュートを浴びせ、7ゴール奪取。熊谷紗季(オリンピック・リヨン)、宇津木瑠美(シアトル・レイン)、横山久美(フランクフルト)らヨルダン合流組との呼吸を合わせるという課題は残ったものの、「ポジティブな要素の多い試合」(高倉麻子監督)になった。
前半、動きが光ったのは左サイドハーフの増矢理花(INAC神戸)だった。「相手がどんなプレーをするかわからなかった」とイメージを固めずにピッチに立った増矢だが、ファーストプレーで中に切り込むと相手が食いつき、前方にスペースが生まれた。そこを見逃さなかったのは後ろにいた鮫島彩(INAC神戸)だ。
鮫島は、増矢に中央寄りのポジションを取らせた。結果、ゴールラッシュの口火を切る先制ゴールが生まれる。増矢がドリブルで中央に持ち込むとDFを引きつけ、逆サイドに生まれたスペースにボールを流す。それに反応していた田中美南(日テレ・ベレーザ)が合わせた。その後も増矢が中央寄りでプレーをすることで鮫島がオーバーラップしやすくなり、前半は左サイドから続々と好機が生まれた。
(略)
もっとも盛り上がりを見せたのが7点目だ。後半残り30分となったところで途中出場した川澄奈穂美(シアトル・レイン)は「勝つことはわかっていたゲームでしたけど、そういうときにこそ、守備のところ、戻るところ、攻撃の厚みをつけるところは走り切る」と、意識づけをして臨んだ。高倉監督のもとでは初出場となるピッチで、彼女の一挙手一投足に視線が集まる。無理なく相手をいなしながら縦へ推し進めたかと思えば、鋭いラストパスを配給するなど、動じることなく試合を動かす姿は代表ブランクを感じさせなかった。
菅澤優衣香(浦和レッズL)から岩渕真奈(INAC神戸)とつないで、ボールを受けた川澄がチラリと中をうかがえば、「必ずパスを出してくれると信じて走った」という鮫島。「サメか~って思いましたけど(笑)、頭で合わせてあげればよかったかな」とアシストにも余裕も見せた。結果、川澄が選んだボールはGKとの間の浮き目のもの。鮫島はGKの足元を抜くゴールで応えた。前半からアップダウンを繰り返して攻守に貢献していた鮫島の前線までの猛ダッシュは”信頼”があるからこそできる形だった。
(略)https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jfootball/2018/04/03/___split_22/index.phpやはり、川澄奈穂美がいると違うのか。なでしこ大勝でアジア杯に臨む
たとえピッチに居らずとも存在感を備える。チームに好影響を与える。それが川澄奈穂美という選手なのかもしれません。
課題は残りますが、頑張れ!
4月7日夜ヨルダンで、ワールドカップ予選も兼ねたアジア杯の戦いが始まります。頑張れ!なでしこジャパン!
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